- RESULTS
半日掛かっていた検針業務が、わずか1時間に。正確なデータ収集により、漏水も判明!
山形県最上町
2023.11
実証実験の背景と目的最上町は、山形県でも指折りの豪雪地帯であり、冬季における目視検針が困難であること、春先の検針再開時の漏水発覚による工事対応、冬季期間中の認定水量と春先の実指針の差の修正業務の負担といった多くの課題を抱えています。また、検針員不足の懸念もあり、抜本的な検針業務の改革が必要と認識していました。そこで、最上町では低コストで利便性の高いAMR方式※1の水道スマートメーターを導入し、将来を見据えた検針課題の解決や、取得した検針データを活用した事業合理化を図るため、実験を開始しました。
本実験では、町内の対象世帯に設置した水道スマートメーターを用いて、無線通信(LPWA※2)による検針を行います。このスマートメーターは、積雪により目視検針が困難な豪雪地帯でも遠隔検針が可能であり、冬季でも正確な料金調整ができます。
実験により、冬季の課題解決と春先の業務負担軽減が期待されます。また、無線による迅速で正確な検針が可能なため、将来の検針員不足といった課題解消に役立つと期待されています。
※1 AMR方式とは「Automated Meter Reading」の略で、水道メーターに搭載された無線子機により正確でスムーズな一括無線検針を行うことができます。検針方式としてウォーク・バイ方式とドライブ・バイ方式があります。
※2 LPWAとは「Low Power Wide Area」の略で、「低消費電力で長距離の通信」ができる無線通信技術の総称。
実証実験の結果と今後の展開
実証実験の具体的な数値的成果は現時点では得られていませんが、今後は検針作業の時間削減とコスト圧縮が中心的なKPIとなるでしょう。また、関係者からは、樹脂製の筐体についての設置業者からの配慮が求められる意見や、パイロットが見えないことによる漏水確認の難しさが指摘されています。今後は、実施計画の詳細を検討していく必要があります。